ブログで宗教の是非について書くことはしません。ただ、留学中、宗教に関する会話の中で戸惑ったことがありましたので、外国人と会話する際の参考にしていただければと思います。
お前の宗教、何?
オハイオ州の臨床研究ラボに留学中のことでした。当時のラボには、世界各地のMDが集まっていました。例えば、コロンビア、シリア、エルサルバドル、ベネズエラ、エジプト、中国、タイ、など、出身国は様々でした。
同じMDであっても、様々な文化的背景を持つ人達だったので、それぞれの文化についてよく語り合いました。そこで必ず聞かれる質問が、
「お前の宗教なに?」
でした。日本人にとっては、普段の生活でまず聞かれない質問ですが、まるで昨日の夕食を聞くかのようによく聞かれました。
私は争いごとを好まない生粋の日本人でしたし、当時は宗教とテロを結びつけたニュースが日本国内でもよく放映されていました。親からは「親しい人であっても、争いの元になるから政治と宗教の話はするな」と教えられてきましたので、この質問には非常に戸惑ったのを覚えています。
ただでさえ、互いに英語という第2、第3外国語を通して会話しているため、誤解されたくなかったですし、私の答えは
「特に宗教はないよ」
でした。おそらく、多くの日本人が同様に答えるのではないでしょうか。
しかし、これが想定外の反応を引き起こします。
神を信じてないのか?
驚いた様子で聞いてきました。
「お前、神を信じてないのか??」
そうなんです。キリスト教であれ、イスラム教であれ、少なくとも神の存在はあります。特にこのような多国籍のラボでしたので、皆、異教徒に対しnegativeな印象は持っていませんでした。しかし、神を信じていない、ということに対しては、それなりに驚きだったようです。
ある日本人マニアが言いました。
「お前ら、シントー(神道)があるだろ」
なるほど。確かに神道は宗教かもしれません。ただ、多くの日本人は神道も仏教も意識しておらず、正月にはとりあえずお参りに行き、手を合わせて祈ります。しかし、多くの人は、おそらく無宗教と答えるでしょう。
神を信じていないことに対する不信感のような雰囲気を感じたため、
「そうだね。神道だね。私たち日本人は、いろんなものに神いると信じているんだよ。八百万の神といってね。机にも、トイレにも。だから物を大切に使うんだ。」
神が複数いるのか?
我ながら良い説明をしたと思いましたが、反応は
「なに?神がいっぱいいるのか?」
でした。そうなんです。通常、イスラム教も、キリスト教も、ユダヤ教も、一神教なんですね。
別に同僚の誰も怒ってはいませんでしたが、説明するのにそれなりに苦労しました。
まとめ
海外の人にとって、宗教は別に禁句ではありません。むしろ、仲良く付き合っていくためには、予め相手の宗教を知っておきたいのでしょう。
その時の説明で、無神論や、八百万の神といった、日本では普通に受け入れられることが、外国人にとっては違和感がある、ということは覚えておいても良いでしょう。