HSPH受験対策

Personal statementの書き方

海外の大学院を受験しようとすると、英語能力などの受験資格とともに、推薦状や自己推薦文(personal statement)の提出が求められます。今回は、personnal statementの書き方について説明します。私の経験(n=1)だけでなく、進学後に他の合格者との会話の中で得た情報も書き留めておきます。

Personal statement

1. その人にしか書けない文章を書く

やはり、uniqueでなくてはなりません。よくpersonal statementを添削してくれる業者などの存在を聞きますが、私も含めハーバードの同期にこれらのサービスを使った人は(たまたまかもしれませんが)いませんでした。もちろん、利用するメリットはあると思いますが、そのデメリットは「似たような文章になる」ということでしょう。ハーバード大学は、卒業・帰国後に、それぞれの分野でリーダーとして活躍してくれる人材を探しています。すなわち、誰かと同じようなことをする人は求められていません。日本で教育を受けると自己アピールが苦手になることが多いですが、常に自分というものが唯一無二の存在であることをアピールしましょう。

2. なぜその学校で学びたいのかを熱く語る

大学院受験の際、どの学校にもほぼ同様のPSを送る人がいます。それでも他の文章が魅力的であれば合格するとは思いますが、どうしてもその学校に行きたいならそれなりのアピールが必要です。なぜ本校なのか?それが伝わる文章でなければなりません。この人の研究分野と私の研究分野が一緒で尊敬している、この教授と学会で会って話して感銘を受けた、などです。ホームページで分かる内容だけでなく、もっと踏み込んだ内容の方がbetterです。私の場合、このようなコネやネタがなかったため、直接会いに行きました

研究テーマが自分と似ている教授に直接メールを送りつけ、面接を申し込みました。ハーバードの教授ともなれば、その対応も超一流です。結構返信してくれます。もちろん、忙しくて会えない、と言われることも多いですが、何人かトライしてみてください。会ってくれる人も結構いますよ。もし直接話すことができればPS的には超前進です。たとえ面接自体がそんなに盛り上がらなくても、わざわざハーバードまで足を運んで教授と話したことをPSに書けますし、その熱意は伝わります

もし面談を断られてもめげる必要はありません。メールのやり取りで何かproductiveなことがあれば、PSに書くこともできます。「この教授は、私のbackgroudとやりたいことを伝えたらこのprogramがいいとsuggestしてくれた」などです。

特に日本からですと、会いに行くにはお金と労力がかかります。しかし、だからこそ他の人はしないことでもあります。それだけで、合格がグンと近づくのであれば、お得だと思いませんか?

3. 複数の人にみてもらう

自分にしか書けない内容で書いたら、誰かに添削してもらいましょう。誰かと言っても、海外で実際に活躍しているネイティブがベストです。向こうの厳しい競争を勝ち抜いてきた彼らは、PSをどのように書けばよいか、どのようなPSが魅力的かを知っています。

そして複数人、というのも重要です。様々な意見を聞き、どんどんブラシュアップしていきましょう。私の場合は、留学中に同じラボにいたリサーチコーディネーター、アメリカの医学部生、現地の大学で教鞭をふるっていた定年後の英語教師など、様々な人にみてもらい、意見を聞きました。

4. 自分の肩書きに注意

海外のMPHを受験する際、特にMDの人は日本で既にPhD(医学博士)を取得している人がいます。日本においてはMDがPhDを取ることが「普通」とされてきましたし、PhDを取得することは臨床をやめることを意味していません。「とりあえず」PhDを取得するMDも多いでしょう。

一方で、アメリカではMDがPhDを取ることはそんなに多くありません。そもそもアメリカでPhDを取得するのは非常に大変で、臨床の片手間にするのもではありません。PhDは、臨床よりもacademicな道を選んだ、ということであり、今後はacademicで食べていくだけの力のあることを意味しています。

そのため、博士は修士よりずっと格上なので、PhD(博士)がMPH(修士)を受験することに普通のアメリカ人は違和感を感じます。PhDを持っていることが受験に有利、というのは間違いです。むしろ不利に働くことがあると思います。PSでは、ここをしっかり説明できなければなりません。なぜ、それでもMPHをとりたいのか、です。

ちなみに、PSでPhDについて触れない、という策もあるかもしれません。わざわざCVと照らし合わせたりしないはずですし。少なくとも、PhDを自分の売りとして書くのは避けた方が良い、と思っています。

 

いかがでしょうか。採点官は、数千人もの受験生のPSを短期間で読まなければなりません。1枚のPSを読むのにかける時間はごく僅かです。その短い時間でどれだけ心を引き込めるか、を考えながら書いてください。

 

 

ABOUT ME
木村聡
福岡県の研修病院で初期研修修了後、大学に入局。米国オハイオ州に臨床研究で留学するも、知識の欠如を痛感。ハーバード公衆衛生大学院に進学し、MPHを取得。マサチューセッツ工科大学メンバーとの共同研究などに関与。 日本では麻酔・集中治療医として働き、オーストラリアでは小児集中治療を一から学び直しています。 乗り越える壁を見つけ続けることは、なかなか簡単ではありませんよね。アラフォー目前、様々な壁にぶち当たり、それなりに多くの経験をしてきました。私の挑戦や経験・知識、失敗談などが、他の誰かの刺激になり、役に立つことを切に願っています。 プロフィールをもっと詳しく見る

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  1. […] このコースは、学位のもらえるdegreeだけでなく、学位と関係ないnon-degreeでも申し込めるコースです。そのため、必要最小限のCVやpersonal statement、recommendation letterなどは必要になりますが、degreeのような英語やGREの受験資格などの条件はありません。おそらく、普通に申し込めば受講可能なコースです。 […]

  2. […] MSやMPHであれば600 words以内に収めるよう指示されていますが、これも学校やdegreeによって変わりますのでそれぞれホームページを参照して下さい。また、魅力的なstatementとするためのコツについては、「Personal statementの書き方」をご覧ください。 […]

  3. […] 以前、海外の大学院入試などに必要なpersonal statement(statement of purpose)の書き方について解説いたしました。それでも、なかなか良い自己推薦文なんて思いつかない人も居ると思います。 […]

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