小児心臓麻酔– category –
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小児心臓麻酔〜各論〜
房室中隔欠損症と術後左側房室弁閉鎖不全
【左側房室弁閉鎖不全と病態】 房室中隔欠損症(Atrioventricular septal defect: AVSD)修復術の周術期生存率は改善しているが、術後の左側房室弁閉鎖不全(left-sided atrioventricular valve regurgitation: LAVVR)は現代でも解決されておらず、時間経... -
小児麻酔
クリオプレシピテートとフィブリノゲン製剤
【クリオプレシピテート】 新鮮凍結血漿(FFP)をゆっくり融解すると、沈殿物が析出する。この沈殿物がクリオプレシピテートであり、vWF因子やフィブリノゲン、凝固第VIII因子およびXIII因子といった、分子量が大きな血漿蛋白が含まれる。また、全てが濃縮さ... -
小児心臓麻酔〜各論〜
APCとTCPC conversion
現在、古典的なフォンタン手術(AtrioPulmonary Connection: APC)を施行されることは殆どありません。しかし、APCの合併症よりフォンタン手術の変法の一つであるTotal CavoPulmonary Connection (TCPC)に変更する、TCPC conversionと呼ばれる手術が行われ... -
小児麻酔
小児肝移植の麻酔管理
術前評価に関しては『小児肝移植の術前評価』参照。 【麻酔準備】 モニタリング 全身麻酔に対する通常のモニタリングを行う。後述のように高カリウム血症による心電図変化や致死的不整脈の可能性があるため、5極誘導心電図を用い、除細動器を準備する。 経... -
小児麻酔
新生児・乳児の区域麻酔と現状
以下の内容は、2024年に仙台で開催された日本区域麻酔学会第11回学術集会シンポジウム「新生児/乳児の区域麻酔を効かせるために」の発表に際し、施行したアンケートを元に作成しました。発表時間の関係で、アンケート結果の全てを現地で公開できなかった... -
小児麻酔
小児肝移植の術前評価
【適応】 小児に対する肝移植の主な適応は、胆汁うっ滞性肝障害(ex. 胆道閉鎖症、進行性家族性肝内胆汁うっ滞症、Alagille症候群)代謝性疾患(ex. 尿素サイクル異常症、Wilson病)、急性肝不全、原発性肝腫瘍(ex. 肝芽腫、肝細胞癌)である1)。 =胆道閉... -
小児心臓麻酔〜各論〜
吸入一酸化窒素(iNO)
【効果】 一酸化窒素(nitric oxide: NO)は、内皮で産生される内因性の血管拡張作用を持つ物質である。吸入で投与された外因性性の一酸化窒素(inhaled nitric oxide: iNO)は、肺血管系を拡張させるが、活性化型では体循環へ入らないため、純粋な肺血管... -
小児麻酔
小児肺移植の術中管理
麻酔準備に関しては『小児肺移植の適応と麻酔準備』参照。 【手術操作】 切開・アプローチ法 両側肺移植の場合、胸骨横断切開による前外側開胸(bilateral anterolateral thoracotomies with transverse sternotomy、いわゆる、"clamshell thoracotom... -
小児麻酔
小児肺移植の適応と麻酔準備
【疫学】 2016年のInternational Society for Heart and Lung Transplantation (ISHLT) Thoracic Transplant Registry Reportによると、世界の41施設で、年間100以上の肺移植が小児に対して施行されている1)。しかし、多くの施設(85%;35施設)では年間4... -
小児麻酔
小児の区域麻酔:用量と合併症
【総論】 Pharmacokinetics and pharmacodynamics 局所麻酔薬はアミド型とエステル型に分類される。アミド型では、bupivacaine, ropivacaine, levobupivacaineが多く用いられる。Ropivacaineの力価はbupivacaineやlevobupivcacaine他と比べてやや低く、効...