大学院受験や臨床留学などでは、推薦状を書いてもらう必要があります。
では、誰に書いてもらえばよいのでしょうか。ハーバードの同僚から聞いた話も合わせて、お願いすべき人物について書こうと思います。
自分のことをよく知っている人物
当たり前のようですが、コレ、非常に重要です。
時に、「有名な人や、権力のある人、その組織にコネクションのある人に書いてもらった方が良い」と思いがちです。もちろん、それらの人物があなたのことをよく知っている人物であれば、その方にお願いすべきでしょう。コネクション社会のアメリカでは、強力な後押しになるはずです。
ただしそれは、「あなたのことをよく知っている」前提の話です。推薦状を書いてもらいたいがために近づいて、letterを書いて下さい、と頼むのは本末転倒ということです。もしかすると書いてくれるかもしれませんが、そのようにして書いてもらった内容は薄っぺらく、試験官は「この推薦者はこの受験生のことをあんまり知らないんだな」とすぐにわかってしまいます。
ですので、やはり自分のことをよく知っている人に頼むのが一番です。
ハーバード公衆衛生大学院の知り合いも、高校時代の家庭教師や、大学時代の部活のコーチに書いてもらった人たちがいます。直接、公衆衛生には関係なくても、その人物がどのような人物なのかを熱意を持って書いてくれる人だったのでしょう。
直属の上司
推薦状は3通必要だったとして、3通とも高校時代や大学時代の人からのletterという訳にはいきません。最低1通は、仕事の直属の上司に書いてもらいましょう。
大学にいれば教授、市中病院であれば部長、といった感じでしょうか。
ちなみに、行きたい組織のOB/OGが身近にいれば、ぜひお願いしてみましょう。大学院(私の場合はHSPH)であれば、その卒業生などです。HSPHのことをよく知っている人がletterを書くことに意義は大きいようです。臨床留学(私の場合はオーストリア)であれば、その病院で働いたことのある上司です。
その国で活躍している、または、してきた人物
あなたの知り合いが、その国で働いている、活躍している人であれば、(あなたのことをよく知っているという前提ですが)お願いしない手はありません。
アメリカやオーストラリアであれば、その国の厳しい競争に勝ち抜いてきた人であることを意味します。どのようにletterを書けば良いか、どのようなletterが好印象か、採用されやすいかなど、知り尽くしています。
日本人は自己アピールが苦手ですが、他人を推薦する方法もそんなに詳しくない方が多いようです。(悪い意味ではありません。日本では日本のやり方がいいはずです。)
郷に入れば郷に従え。海外の組織に行きたいのであれば、海外のやり方を知っている人に頼むのが良いということです。
ちなみに、私の場合、SOPHASという公衆衛生大学院受験のためのシステムに4通の推薦状を登録しました。頼んだ人物は、
- 自身が働いている大学の教授
- 昔の直属の上司
- アメリカ留学中のボス
- アメリカ留学中に研究を一緒にしていた上司
です。最初の二人は日本人ですが、どちらも海外の留学経験があり、recommendation letterを知り尽くした人物でした。
いかがでしたでしょうか。推薦状を頼む相手を考えるうえで、参考にしていただければ幸いです。
コメント
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[…] MPHのメリットの一つが、現地のMDとコネクションができることでしょう。HSPHでは、授業の一環として実際に現地で研究を行う”Practicum”というカリキュラムがあります。そこで実際の臨床研究を行なっているチームと関わることができるため、働き方によっては「欲しい人材」と思われるかもしれません。また、当該施設で採用されなくても、強力なrecommendation letterを書いてもらうことが可能になります。 […]
[…] 多くの学校で、推薦状が3通必要となります。誰に書いてもらうかは、「推薦状を誰に頼むのか」でも解説していますのでご参照ください。 […]