血液ガス分析の読み取り解析アプリを公開しました。その名も「Ketsugas calculator」。ぜひ試してみてください。
紹介文
以下、アプリ(”Ketsugas calculator“)の紹介文です。
医療現場における血液ガス分析結果の読み込み、解析アプリです。
スマホのカメラで血ガスの結果用紙を撮影するだけで、重炭酸アプローチやスチュワートアプローチを用いた解析に必要な数値を自動で読み込みます。手入力や読み込み後のデータ修正も簡単です。
重炭酸アプローチのための計算や、スチュワートアプローチに必要な強イオンの差であるSID、弱酸(ATOT)、強イオンギャップ(SIG)の計算を自動で行い、素早く酸塩基異常を知ることができます。また、グラフ化により独立因子(SID、ATOT、CO2)による酸塩基平衡への関与が直感的に理解できます。
使い方
読み取り
アプリを起動し、写真を撮ります。
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血液ガス分析用紙の数字が自動で読み込まれます。
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Stewartアプローチを用いるため、血液ガス分析装置で測定されないイオン(ex. マグネシウムやリン、アルブミン)の値は手入力する必要があります。また、読み取りに対応していない血ガス用紙もあります。
解析
あとは、それぞれのアプローチの「分析」ボタンを押すだけ。
重炭酸アプローチ
重炭酸アプローチに必要なStep毎の計算と解釈を自動で行います。
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代謝性因子と呼吸性因子について、異常をハイライトしたサマリーを表示します。
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Stewartアプローチ
3つの独立因子がそれぞれどの程度pHに関与しているのかを図示します。
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Stewartアプローチに必要な強イオンの差であるSID、弱酸(ATOT)、強イオンギャップ(SIG)の計算を自動で行い、異常をハイライトしたサマリーを表示します。
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注釈
Stewartアプローチに関する用語の解説や、gamblegramを参照することができます。
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さいごに
血液ガス分析は複雑で奥が深いですが、患者の状態を把握するのに非常に有用なツールです。理解するには、解析・解釈を繰り返すことが大事です。このアプリが血ガスの理解を深める一助となれば幸いです。
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