小児集中治療室の薬剤希釈方法

オーストラリアのRoyal Children’s Hospital (RCH)で頻用されている持続投与薬の希釈方法です。特に20〜30kg未満に対しては、新生児も含め以下のような希釈をPediatric Intensive Care (PICU)で使っています。

因みに、術中だけしか用いない薬であれば、異なる希釈方法を用いることもあります。

目次

鎮静・鎮痛薬

モルヒネ

PICU:1mg/kgを計50mlに希釈。1ml/h = 20mcg/kg/hr

病棟:0.5mg/kgを計50mlに希釈。1ml/h = 10mcg/kg/hr。

フェンタニル

PICU:100mcg/kgを計50mlに希釈。1ml/h = 2mcg/kg/hr。

病棟:15mcg/kgを計50mlに希釈。1ml/h = 0.3mcg/kg/hr。

オキシコドン

0.5mg/kgを計50mlに希釈。1ml/h = 10mcg/kg/hr。

ミダゾラム

3mg/kgを計50mlに希釈。1ml/h = 1mcg/kg/min。

ケタミン

6mg/kgを計50mlに希釈。1ml/h = 2mcg/kg/min。

デクスメデトミジン

200mcg/50ml。

参考:日本にはないが頻用される持続静注薬

Hydromorphone

0.5mg/kgを計50mlに希釈。1ml/h = 10mcg/kg/hr。

Clonidine

25mcg/kgを計50mlに希釈。1ml/h = 0.5mcg/kg/hr。

※小児の鎮静薬の使い方に関しては、こちらを参照してください。

循環作動薬

アドレナリン

0.15mg/kgを計50mlに希釈。1ml/h = 0.05mcg/kg/min。

ノルアドレナリン

0.15mg/kgを計50mlに希釈。1ml/h = 0.05mcg/kg/min。

ミルリノン

1.5mg/kgを計50mlに希釈。1ml/h = 0.5mcg/kg/min。

※ただし、投与経路(中心静脈 or 末梢静脈)、体重、投与場所(ICU or 病棟)によって異なる。

ドパミン

15mg/kgを計50mlに希釈。1ml/h = 5mcg/kg/min。

ドブタミン

0.15mg/kgを計50mlに希釈。1ml/h = 5mcg/kg/min。

バゾプレッシン

1u/kgを計50mlに希釈。1ml/h = 0.02u/kg/h。

ニトロプルシド

3mg/kgを計50mlに希釈。1ml/h = 1mcg/kg/min。

 

RCHで用いられる循環作動薬については、こちらをご覧ください。

まとめ

上記の希釈方法は、あくまでも一例です。ただ、事故を防ぐためにも施設内(科内)で統一することは重要でしょう。

もし他に知りたい薬剤があれば、こちらから問い合わせしてください。

 

先天性心疾患の目次へ

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメント一覧 (1件)

コメントする

英語のコメントは『問い合わせ』からお願いします。

目次