正規分布
今回は、正規分布を用いたprobabilityの計算についてです。p-valueも(帰無仮説における条件付き)probabilityであるので、後々のためにも理解が必要です。
正規分布とは
このnormal ( , )という表現、今後もよく出てきますので覚えておいてください。
正規分布といっても、そのcenter (mean)や広がり(standard deviation)によって様々です。しかし、それぞれのデータから平均値(μ)を引くことでそのセンターはゼロとなり、SD(σ)で割ることでその分布のSDは1となります。すなわち、normal (μ, SD)であったXの分布は、上記の計算によってnormal (1, 0)のstandard normalになる訳です。これをZ scoreと呼びます。
現実には我々は本当のSD(σ)を知ることができないため、自分の目の前にあるデータのSD(s)を使うしかありません。これをt-scoreと呼びます。
Z-scoreの使い方
このスライドでは、normal (0, 1)の分布をしたデータにおいて、X>=3となるprobabilityを考えています。このように、データが正規分布であった場合、その値またはそれより小さな値をとるprobability(下側確率)を、上のようなtableを用いたり、softwareを用いれば簡単にわかります。ちなみに、Rを使えば
> pnorm(3,mean=0,sd=1) 0.9986501
となり、上のtableの赤枠と同じprobabilityとなります。
同様に、平均値とSDがわかっていれば、standard normalizationすることによって、その値の下側確率がわかります。
t-分布
Z-scoreを用いてprobabilityを計算する場合は上記のようにできますが、t-scoreを用いたprobabilityは若干異なります。下記の図はy軸にprobabilityをとっていますが、それぞれの曲線はdegree of freedomによって少しずつ異なります。dfが大きければ大きいほど、それぞれのprobabilityはZ-scoreの場合に近づきます。97.5%のデータが左側にくる値Z0.975は1.96でしたが、dfが小さければこの値は大きくなります。sample sizeが小さいと、同じprobabilityを出すためにより極端な値が必要ということですね。
Reference
コメント
コメント一覧 (6件)
[…] statisticを計算します。正規分布とprobabilityで解説したように、統計学ではそれぞれの分布におけるtest statistic(ex. […]
[…] 比較する両群のvarianceがわかっているなら、Z-testを用いることができます。上記のようにZ-scoreを計算し、Z-distributionにおけるそのscoreまたはそれ以上の値を取りうるprobabilityを計算することで、p-valueを得ることができます。今の一文の意味がわからない人は、正規分布とprobabilityを読んでみてください。 […]
[…] やβ^1のstandard errorから、t-scoreを計算します。t-scoreからprobability(p-value)の算出方法がわからない人はこちらを参照してください。 […]
[…] 「関係性なし(相関係数0)」を帰無仮説とすることで、その相関係数となるprobability(→p-value)を求めることができます。T-scoreを計算し、T-distributionからそのprobabilityを計算します。t検定と一緒ですね。 […]
[…] 正規分布とは:統計学の基本、「正規分布」の定義を知っていますか?検定方法の選択やp値の計算などで使う、超大切事項です。 […]
[…] z-testではz-distributionにおけるz-scoreのprobabilityを、ANOVAではF-distributionにおけるprobabilityを計算したのと同様、Chi-square testでもχ2のdistributionにおけるχ2のprobability (=p-value)を計算します。 […]