次なる目標 〜オール 7.0以上〜
前回は、IELTSのreadingとlisteningで点数を稼いで、overall scoreを上げる方法を説明しました。お陰様でハーバード公衆衛生大学院で勉強するという夢は叶えることができましたが、次なる挑戦はオーストラリアで臨床医をすること、でした。そのための英語の条件は、
なんと!同じ7.0であっても、overallとall sectionsでは、大変さが全然違います(泣)。 繰り返しますが、私は日本の純粋培養です。これまではreadingとlisteningで何とか点数を稼いでいましたが、苦手なwritingやspeakingでも7.0をとらないといけないということは並大抵のことではありません。対策はこれまでと逆になり、得意なところを伸ばすのではなく、苦手な分野をカバーしなければなりません。 これまた苦しみましたが、結局は
Listening | Reading | Writing | Speaking | Overall | |
2018 | 7.0 | 7.0 | 7.5 | 8.5 | 7.5 |
とクリアすることができました。当初の成績が
Listening | Reading | Writing | Speaking | Overall | |
2015 | 5.0 | 7.0 | 5.5 | 6.5 | 6.0 |
であることを考えると、よく頑張ったなーって感じです。 ということで、私の体験談をシェアします。
Writing
まずwritingの採点方法をおさらいしましょう。詳細はここに書いてありますが、4Csというものが存在します。これは、conciseness, cohesion, coherence and compositionの4つのCのことです。
Consciseness
簡潔さ、とでも言うのでしょうか。他の言語と異なり、writing英語においては2,3語で多くの意味をもつphraseが数多くあります。長く複雑な文であればより点数が高い、というのは、間違っています。 長文を避けたほうが良い理由の一つは、後述するcoherenceに関連する間違いを犯す可能性が高まることです。もう一つは、長文では文法ミスを犯しやすくなることです。短い言葉で簡潔に、そして適切に表現することが大事です。では、1文がどのくらいであれば良いのでしょうか。上記のサイトでは、8~15語を推奨しています。
Cohesion
連結です。それぞれの文同士が適切に繋がっていなければなりません。Thus, …とか、 To illustrate this, …などで、前後の文を繋げます。意外に単純ですが、このような連結するphraseをちょこちょこ入れることが大事です。
Coherence
首尾一貫性。エッセイに書いてあることがreaderに理解しやすいようになっているか、です。沢山構文を暗記してもスコアが上がらない(←私)原因の一つに、個々の構文は間違っていなくても、前後の文繋がりがネイティブには「??」と感じられてしまうことが多々あります。難しい構文を沢山使っても、それぞれの繋がりが不自然ではcoherenceは保たれません。
Composition
エッセイが適切な構成となっているかです。エッセイの質問に対して、しっかりと自分の考えを論理立てて述べているかです。例えば、argumentのessayであれば、最低2つのsupporting ideaを、自分の身の回りの例を挙げて説明し、議論し要約する、と言う流れです。
日本人が陥りやすいミス
巷には、様々な勉強法が公開されています。DoやDon’tも数多く紹介されているため、一般的なことならそちらをみてもらったらいいと思います。初めて勉強する人には、役に立つと思います。 しかし、今回のターゲットはそれらをちゃんとやっているにも関わらず全然点数が上がらない人です。そうです。私です。様々なサイトを読み漁り、可能な限り遂行しました。しかし、writing対策後の結果は、、、6.0。 スコア、下がっとるやないか!! なぜだ??あんなに勉強したのに。勉強してスコアが下がるというのは、想像以上にショックなものです。では、何が駄目だったのでしょうか。私的には、特に以下の二点を強調したいと思います。
1. 只の暗記やテンプレートの使用はだめ
日本人の多くは、勉強といったら暗記ではないでしょうか。しかし、基本的に、採点官に「こいつ、丸々暗記してきたな」と思われたら大きく減点されます(Speakingも一緒です)。テンプレートを作成して字数稼ぎもバツです。もちろん我々日本人は暗記が得意ですし、日本のinput主体の英語教育を受けてきて、急にoutputしろと言われても、多くの人には至難の技です。 しかし、只の丸暗記ではcoherenceとcompositionが大きく損なわれることが多いので駄目です。そもそも採点官は、何千、何万といった答案用紙を読んでいます。丸暗記の文章かどうか、一目見ればわかるそうです。
2. 単語の見せびらかしには注意
確かに高得点を取るためには、ある程度何度の高い単語を使う必要があります。しかし、知っている単語を沢山散りばめれば良い、というものではありません。ネイティブにとって不自然であれば減点です。 日本語でもそうですよね。ITにおいて、 「自動運転技術の共同研究に取り組む」 ならよいですが、 「自動的運転技能の協力研究に対応する」 はオカシイですよね。それぞれの単語の意味は同義語に近いですが、ネイティブにはしっくりきません。その分野で多く使われ、文脈にあった言い回しというものがあります。 英語も同じです。ネイティブにはネイティブの使い方があります。もちろん、ネイティブでない我々が短期間にこれらを使いこなすことは至難の技です。では、どうしたら良いのでしょうか。これらの罠に陥らず、上記4Cをクリアする良い方法はないのでしょうか。
私の戦略
私がとった戦略は、前後の文脈を含めて単語やphraseを覚えることでした。Writingでは様々な分野から出題されますが、そうはいっても環境、犯罪、教育、健康、メディアなど、幾つかのテーマに大別されます。それぞれのテーマでネイティブが書いた文章が、pro/con形式でインターネットには溢れています。それらをテーマ毎にまとめ、ある単語がどのような文脈でどのような単語とともに使われているのか、それを理解した上で暗記しました。そして、自分で使えるようにしました。知っているのと使えるのでは、大きな違いがあります。臨床でも同じですよね。Outputできなければ意味がありません。せっかく覚えた単語のcombinationを、その話題の時にすぐに頭から取り出せるようにします。すなわち、
ということです。 例えば、旅行者に関する話題がでれば、
動物研究に関する話題であれば
という文全体が頭に浮かぶ、みたいな感じです。このように、使えそうな文全体がスッと出てくるまで繰り返し練習したのです。そして、それぞれのテーマにおいてそのように自分が使える文を増やしていきました。このようにoutputできるようになれば、あとは個々のphase毎に組み合わせても大丈夫です。これを行うことで、不自然な単語の羅列が防げ、文法ミスが減り、本番中にアイディアを練る時間の短縮にもなりました。 ちなみに、数少ない暗記した例文を無理やり本番で使っても駄目です。覚えた文を見せびらかすために無理やり挿入した文は、前後との関係がちぐはぐになり、coherenceとcompositionが落ちる恐れがあります。論理を組み立てられるくらい自然にoutputできなければなりません。 言ってはなんですが、ネイティブの高校生レベルの短いエッセイが書ければokです。世間をアッと驚かせるような文章はいりません。ありきたりのテーマに対し、ありきたりの意見をしっかりとcomposeして書けば良いだけです。そのためにも、自分で使える例文を多く頭に入れましょう。
添削の重要性
最後はプロにみてもらうこと。添削は絶対にオススメします。添削サービスを利用することで、自分の弱点を知ることができます。 多くの勉強法を自分なりに試しても、writingやspeakingといった解答のない試験においては、自分が正しいと思っている方向そのものが間違っていることが多々あります。やはりプロに見てもらうのが大事です、私も最後は、添削してもらいました。そしてびっくり。いくら家で時間をかけて書いた文章でも、なかなか7.0に届かないんです。そして、どこでどのくらい点数が引かれているのかを見直しました。人によっては文法かもしれませんし、人によっては単語の使い方かもしれません。Compositionで引かれている人もいるかと思います。是非第三者にみてもらいましょう。 ちなみに私は、この添削サービスを使いました。 以上のことを実践したら、一気にwriting 7.5をとることができました(驚)。それまで7.0さえとったことなかったのに。 いかがでしょうか。今回は、writingについて日本人が陥りやすい罠について、自分の体験をシェアしました。
コメント
コメント一覧 (3件)
[…] 繰り返しますが、IELTSのspeakingやwritingでテンプレートの使用や丸暗記は禁忌です(こちらを参考にしてください)。 […]
[…] この点は、writingと同じです。ついつい良い点をとろうとすると、難しい構文や単語を暗記し、本番で使おうとします。しかし、 […]
[…] でした。コネの強さを痛感した瞬間です。見学もしていませんし、面接も受けていません。すぐに秘書から連絡が来て、いつからのポジションが空いているのか、英語の試験をクリアしていないならいつまでにクリアすれば間に合うかなど、色々と教えていただきました。そして、後々、何とかIELTSで目標のスコアをクリアしたことをメールで伝えたところ、「Congratulation!」というメールとともに採用が決定しました。 […]