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MPH-45とMPH-65の違い

ハーバード公衆衛生大学院(HSPH)のMaster of Public Heath (MPH)には、45単位(MPH-45)と65単位(MPH-65)が用意されています。これはそれぞれ、45単位、または65単位取得すれば、修士(master degree)となることを意味します。

今回は、MPH-45とMPH-65の違いについて解説したいと思います。

公式ホームページの解釈

HSPHのadmission officeのホームページには、以下のような記載があります。

In most cases, those who meet the requirements for the MPH-45 program should apply to those fields of study, however under exceptional circumstances, the longer degree program may be more appropriate, and can be discussed with the MPH Program Office/Office of Education or Admissions Office. Such cases include experienced professionals who are pursuing a career switch, and students who need to maintain full-time student status for the duration of a fellowship that lasts two calendar years. Applying to the MPH-65 program if you are eligible for the MPH-45 program does not increase your possibility for admission.

簡単に訳しますと

  • 特別な状況でない限り、45単位を選ぶ人が多い
  • ただし、キャリアを変えたい人や2年間のfull-time studentである必要がある場合などは、65単位も選ぶ
  • 合格率は変わらない

といった内容が書かれています。今回は、折角なのでもう少し違った視点で考えてみたいと思います。

そもそも、プログラムによっては選択できない

私が在籍していたClinical Effectiveness (CLE)やQuantitative Methods (QM)は45単位のプログラムしか存在しません。一方、Epidemiologyなどのクラスは45単位と65単位を選択することができます。

ただし、こちらでも記事にしていますが、HSPHではクラスの選択が非常にフレキシブルですので、プログラムが違ってもほぼ同じクラスを選択することも可能です。

MPH-65のメリット

より深い知識を得ることができる

MPH-65は、約2年かけて単位を取得し卒業を目指します。

アメリカの公衆衛生大学院には、ハーバードやジョンスホプキンスのように1年で修士を取得できるコースも用意している学校と、基本的に2年かけて学ぶコースのみを提供している学校があります。

当然ですが、MPH-65の方がより深く学ぶことができます。これは、単に単位が多いからだけではありません。

HPSH(だけではないと思いますが)では、それぞれの講義が屋根瓦式に積み重なっています。すなわち、あるクラスを受講するためには、その基礎となるクラスを受講していなければなりません。

もっと詳しく説明しますと、(Clinical Effectiveness (CLE)というプログラム以外の)プログラムは、基本的に

秋(9〜12月)→冬(1月)→春(2〜5月)→夏(7, 8月)→秋(9〜12月)→、、、

という順番で授業が進んでいきます。MPH-45もMPH-65も秋から始まりますが、MPH-45であれば次の春で終わりです。その秋から春にかけて興味のあるアドバンスクラスがあったとしても、MPH-45の学生は基礎クラスを受講していない(または受講している最中である)ため、アドバンスクラスを受講できないことになります(教授から直接許可をもらえば別ですが)。

MPH-45のメリット

1年未満で卒業

それに対し、MPH-45は約1年で単位を取得し、卒業となります。

厳密には、Clinical Effectivenessというプログラムは夏から始まるため11ヶ月、その他の45単位のプログラムは秋に始まり卒業時期は同じため、実質9ヶ月で卒業となります。

MPHという学位取得に費やせる時間というのも、MPH-45かMPH-65かを選択する上で大きな問題だと思います。日本で学位をとるのであれば、働きながら取得可能な大学院が多いため、家族への迷惑や収入面において最小限の犠牲で済みます。しかし、海外で学位を取得するとなると、基本的には学生生活が主になるため、ある程度の時間や金銭面での犠牲が伴います。そのため、1年未満で卒業できるMPH-45は魅力の一つです。

私の場合は、臨床研究を学びたい一方、臨床医をやめるつもりはありませんでした。そのため、上記のような家族や金銭面での配慮に加え、臨床を離れる期間をできる限り短くしたいという希望がありました。ですので、1年で卒業できるハーバードやジョンスホプキンスを志望校としました。

ちなみに

在籍中に思うことは、1年という期間は非常に短いということです。正直、1年で学べることなんか、ホンノ僅かでしかありません(「MPHの使い道」参照)。そのため、当時は65単位で2年間在籍できる同期への羨望もありましたし、引き続きボストンに研究職として残ることさえ考えました。

一方で、おそらく65単位であったところで、もっと学びたいという同じ感想を持つであろうことも容易に想像できました。この分野を本気でやるのであれば、結局はPhDに進学しなければならないのだろうと。

まとめ

MPHの使い道」にも書きましたが、MPHには色々な使い道があります。そのため、個々の学生の考え方や、それぞれのキャリアにおけるMPHの捉え方も様々です。結局は、それぞれの人におけるMPHの立ち位置から、MPHでどのくらい長く深く学ぶのかを考え、そこから45単位か65単位かを決めるのが良いのではないでしょうか。

ABOUT ME
木村聡
福岡県の研修病院で初期研修修了後、大学に入局。米国オハイオ州に臨床研究で留学するも、知識の欠如を痛感。ハーバード公衆衛生大学院に進学し、MPHを取得。マサチューセッツ工科大学メンバーとの共同研究などに関与。 日本では麻酔・集中治療医として働き、オーストラリアでは小児集中治療を一から学び直しています。 乗り越える壁を見つけ続けることは、なかなか簡単ではありませんよね。アラフォー目前、様々な壁にぶち当たり、それなりに多くの経験をしてきました。私の挑戦や経験・知識、失敗談などが、他の誰かの刺激になり、役に立つことを切に願っています。 プロフィールをもっと詳しく見る

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