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小児心臓麻酔〜各論〜
小児心臓麻酔のモニタリング
以下、小児心臓麻酔に使用される主なモニタリングについて、麻酔科医・集中治療医が把握すべき項目を解説します。 【】 動脈圧ライン 小さな患児の動脈圧ライン挿入部位は,橈骨動脈や大腿動脈が選択される。上腕動脈は末梢側へ血液を供給するが,側副血行... -
つぶやき
留学からの帰国と心構え
久々の投稿です。これまで留学前や留学中について色々と書いてきましたが、留学からの帰国にも様々な問題が待ち受け、悩む人は多いのではないでしょうか。そこで今回は、留学からの帰国を複数回経験し、最後の留学から1年が過ぎた私の思うこと、そしてこれ... -
小児心臓麻酔〜各論〜
Van Praagh分類と右胸心
先天性心疾患では、左房や左室が必ずしも左に、右房や右室が必ずしも右にあるわけではありません。それぞれの形態学的特徴があるため、右にあっても左房や左室であることは多々あります。そのような複雑な先天心を分類する方法の一つに、1960年代にボスト... -
小児心臓麻酔〜各論〜
房室解離
今回は、房室解離(Atrioventricular dissociation)という不整脈について解説します。 【定義】 房室解離の定義については議論があるが、一般的には「心房と心室の正常な調和が障害され、それらが独立して拍動する状態」と定義される1)。 【分類】 AV dis... -
小児心臓麻酔〜各論〜
Fickの原理とQp/Qs
肺血流と体血流の比である「Qp/Qs」は、先天性心疾患の酸素の需要供給バランスを考える上で大切な概念であり、Fickの原理を用いて計算される。 【Fickの原理】 Fickの原理とは、 『ある器官が物質を摂取(または供給)するとき、その器官が一定時間内に摂... -
RCHの臨床
海外の小児心臓麻酔を経験して〜麻酔導入編〜
オーストラリアのThe Royal Children’s Hospital (RCH)における小児心臓麻酔を経験をシェアする第二弾です。イントロ編はこちらをご覧ください。 【麻酔導入】 導入法 通常の小児の場合と同じく、多くの患者は静脈ラインを持っていないため、麻酔は吸入麻... -
小児心臓麻酔〜各論〜
肺血管抵抗と先天性心疾患
先天性心疾患では、心室や心房が一つ、右心系と左心系の間に交通がある、心内外の狭窄病変があるなどの理由により、驚くほど多彩な循環動態を呈します。その循環動態を規定する因子の中に、肺血管抵抗と全身血管抵抗があり、小児心臓麻酔に関わる上で避け... -
RCHの臨床
海外の小児心臓麻酔を経験して〜イントロ〜
【はじめに】 私は以前、オーストラリアのThe Royal Children’s Hospital (RCH)という世界的にも有名なこども病院の小児集中治療科(Pediatric Intensive Care Unit: PICU)で臨床留学を経験させていただきました。しかし、私の元々の専門は麻酔科であり、... -
小児心臓麻酔〜各論〜
先天性心疾患の酸素需要と酸素供給
先天性心疾患患者であっても、成人と同様の生理学的概念を適応できますが、小児、特に新生児の心臓は成人のそれとは異なる特徴が幾つか存在し、その管理に関わる医療従事者は先天性心疾患特有の生理学を把握しておく必要があります。今回は、先天性心疾患... -
小児心臓麻酔〜各論〜
Shone複合の周術期管理
以下、Shone複合(Shone's complex)の周術期管理について、麻酔科医・集中治療医が把握すべき事項について解説します。 【解剖・分類】 Shone’s anomalyやShone’s complexと呼ばれ、僧帽弁弁上輪、僧帽弁のパラシュート型変形、大動脈弁下狭窄症、大動脈...